第22話
「そうなんだって密葉·····。どうしてふったの?」
首を傾げる桃。
「付き合っても時間とれないから·····」
曖昧に笑った私の顔を見て、桃は納得した顔になった。
放課後や休みの日は、侑李のところに行きたいから。
きっと私は誰よりも侑李を優先してしまう。
「そっか·····、侑李君元気?」
「うん、最近調子いいみたい」
「そっか、良かったね」
桃は笑った。
桃は侑李の事情を、この学校で唯一知っている人だから。
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