第10話

「眼球をそのまま見るのは、初めて」


「にしては、普通だね」


「…」


「普通はもっと驚いたりするもんだから」


「……この前寄生虫見たから、あんまり今回は驚かなかったな」


「寄生虫?ああ、鈴のこと?気持ち悪いよね。あんなのを体に入れてエッチするなんて」



親指と人差し指で眼球を掴み、うっとりと見つめるアマ…。



俺はどっちもどっちだと思うけど。




「目のない女はどうしてんの?」


「だから、彷徨いてる。もう目が見えてないから。俺はこれだけとれればいいし」


「ふうん」


「お古でいいなら、勝がおすすめだよ。勝は女を凍らせてオナるのが基本だから」


「…凍らせる?」


「そう、死んでるけど外見は綺麗だから」


「…ふうん、じゃあ凪は?」


「凪? 凪はおすすめしないよ」


「なんで?」


「凪はロリコンだから」


「…」


「ここに来る女の子は、同世代の女の子だけじゃないからね。親に売られた5歳から、妊婦まで。いっぱい来るよ」


「…イカレテンナ」


「うん、だから女の子は早い者勝ち」


「…」


「あと、この前新しく入った魁輝のお古はやめた方がいいよ?──…人間の形してないから」


「…」


「何か聞きたいことあったら、いつでもおいでよ。俺は5階の1番奥の部屋だからさ」

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