2 day to go

第73話

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その男は言った。

「カケルがいつもだらけているから」だと。



平和主義平和主義。

暴走族に、平和主義なんかいらない、と。

怒りの顔をして。


だからカケルのせいで女が拉致られたことにし、総長としての威厳が欲しかった、と。


それなのに上手くいかなかった。


キチガイにやられて、カケルが怒って、総長として、お前らのところに乗り込んで欲しかったと。


それでもあいつは乗り込まなかった…。


霧島は使えなかった…と。




両肩から血を流しながら…。

苦しそうにそれを言っていた。



「仕方ないから聞いてあげる、俺のザリガニを殺そうと思い浮かんだのは、どっち?」



グリグリと、肩に刺さったナイフを楽しそうにほじくる男は、にこにこと笑っていた。



「月を選んだのは、どっち?」



ぐりぐり。叫び声をあげる遊佐雷蔵という男は、セリフというセリフが出てこない様子。



そんな2人の姿を見ながら、御幸はうっすらと笑みを浮かべていた。

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