ru side
第45話
────流雨side
別にザリガニだけじゃない。俺はずっと昔から動物が好きだった。だって動物は俺の言うことならなんでも聞くから。人間みたいにイヤイヤって言わないから。
この支配する感じが、たまらなく好きなだけ。
昔、蟻を虫かごの中で育てたことがある。
きちんと土も入れて。
餌であるお菓子も入れた。
そしたらその虫かごの中で、その蟻は、自分達の世界を作り出した。
頑張って頑張って穴を掘って。
それを何日も続けて見た。
俺が作り出した空白に、世界を作る。
それはまるで、俺が神様のようになった気分だった。
ペットとか、そういう考えではなく。
俺が神様だから、可愛がってあげてるの。
かわいいかわいい蟻たち。
その虫かごの中に、かえるを入れてみた。
そしたらその蟻たちは絶滅した。
虫かごの中は、かえるの世界になった。
神様の俺は、ずっとその光景を笑いながら見ていた。
俺は神様だから、いろんな世界を作れるんだよ?って蟻たちに教えてあげた。まあ、教えた蟻たちは、もうこの世にはいないんだけどね。
チームの奴らは、俺の事をキチガイって呼ぶ。頭がおかしいと。でもそれはチーム内だけ。学園の中に関しては普通に優等生をしてたりする。
にこにこしてたら、頬が染まる女子生徒。簡単。お金持ちで勉強が出来れば、簡単にこの学園の中では1番になれた。
この学園の中では俺が1番、支配下。
女は〝便器〟。
男は〝イヌ〟。
この学園の中は、神様のような存在。
それでも外に出れば違う。
俺よりも上の男がいる。
それが晴陽。
俺よりも馬鹿なくせに、そういうことに関してだけは頭がいい。読めない男。
だからこそ、俺は晴陽が好きだった。
5人の幹部のうち、俺だけが学校が違う。
「──…お前、チームに入るか?」と、晴陽に誘われたのは、いつだったかな…。
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