第43話
昨日、何度も何度も口の中も洗った。それなのにまた口の中が流雨の唾液塗れになっていく。
頬に零れる。
それを舌ですくい、唾液さえも零すのがもったいないらしい彼は、ずっとずっと重ね続け。
ふ、あ…と、透明な線が、流雨の舌と繋がる。
何十分、キスをしたか分からない。
ちゅう、と音を立てて、唇にキスをしてきた男は名残惜しそうに唇を離すと、ようやく体を起こした。
「じゃあ学校、行ってくるね?いい子にしてるんだよ」
そう言った流雨は、見たこともないどこかの制服を着ていた。
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