第84話
「お兄ちゃんさ」
「んー?」
「密葉ちゃんのどこが好きなの?」
優雅に眠る猫を撫でていたお兄ちゃんは、ピタッと手をとめて、「何だよ急に」と、とっても怪訝な顔をしてきて。
「いいじゃん、教えてよ」
「··········」
「可愛いとこ?」
「·····そうだな」
あたしだって、可愛いでしょ?
「優しいとこ?」
「ああ」
あたしもなんだかんだ言って、優しくない?
「他は?」
「家族思いなところ」
あたしも家族思いじゃない?
結構親とも仲いいし?
あたしと密葉ちゃん、どう違うんだろう?
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