「それほどの想いなんでしょ」

「何？」

「あたしへの気持ちはその程度、あんたはあたしのことを好きじゃない。あたしは·····、自分が好きになった人と付き合いたいし、あたしの事を好きって言ってくれる人と付き合いたい」

「·····」

「隼翔の気まぐれで、あたしをどうこう出来ると思わないで」

グッと、もう一度隼翔の体を押すと、すんなり離れて。隼翔は「はぁああ」と、大きなため息を出した。

「萎えること言うなよ」

隼翔はイラついているみたいで、不機嫌な声を出した。

あたしは体を起こし、隼翔のせいで乱れた服を直した。舐められた首筋が気持ち悪い·····。

「お前さあ、人の事言えんの？」

もう帰ろうと思い、立ち上がった時、隼翔が意味のわかんない事を言う。

人の事言えんの？

何が？

「お前さあ、辰巳君ってうっせぇけど、マジで好きなのかよ？」

「は？」

辰巳さんを好き？

そんなの当たり前に好きだけど？

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