第70話
「胡桃、お前も、俺が誰だか分かって言ってんのか」
ああ、もう、ほら。
怒らすと厄介な男·····。
こいつが副総長なんて·····。
あたしがお兄ちゃんに言えないって分かってそんな事を言ってくる。もう引退してしまったお兄ちゃんを巻き込むなんてこと、お兄ちゃんの顔に泥を塗るみたいなものなんだから·····。
「今のうちに、俺のもんになっていた方がいいと思うけど?」
このまま?
あたしが隼翔と付き合う?
辰巳さんを忘れられるから?
お互いwin-winな関係。
抵抗しないあたしに機嫌をよくした隼翔は、そのままあたしの首筋に顔を埋めた。
隼翔の舌が首をなぞり、舌についているピアスか分からないけど、違和感しかないその感覚に、隼翔の体を押す。
けれども動こうとしない隼翔は、服の裾から手を入れ、あたしのお腹を通り胸へと進んでいく。
本当にあたしはこのまま隼翔と付き合うの?
ここでするの?
初めてのエッチを、隼翔に捧げる?
この部屋で?
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