第60話
「だってお前逃げるだろ」
「逃げないって、ってかなんでここにいるの?」
「お前がここに来るって聞いたから来たんだよ。お前、電話かけても無視すんだろ」
「誰に?」
「湊さん」
あたしは湊を睨みつけた。湊はあたしが怒っているのを分かっているはずなのに、アイスを食べて知らんぷり。
この野郎·····。
あたしが隼翔を苦手なの、知ってるくせに。
「今から来いよ」
「行かない」
「来いって」
「忙しいから」
「つーか早く俺の女になれば?」
「ならない」
「まだ引きずってんのかよ」
「うるさい」
あたしが高校1年とき、同い年の隼翔は族に入ってきた。
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