あたしは驚いて目を見開いた。そこにいるのは辰巳さんの彼女の浮気相手·····じゃなかった。辰巳さんの弟がいたんだから。

辰巳さんに似ているけど、どこか幼くて、だけどすごく顔は整っていて。物静かそうにしている辰巳さんの弟は、あたしの方を見た。

少しだけ会釈され、あたしは戸惑いながらも「こ、こんにちは」と聞こえないぐらいの声をだし。

「こっち来いよ胡桃」

テーブル席で一緒に座っている湊があたしを呼ぶ。

正直、少し冷静になったとはいえ、大駕の方を見るのことができなかった。だからあたしは真逆のテーブル席の方へと向かった。

いつもなら辰巳さんがいるカウンターに座りに行くのに。

テーブル席には、湊と、辰巳さんの弟と、現特攻隊長である橘隼翔がいて。

え、なに、なにこのメンツ？

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