第41話

「⋯学校まで送るから、もうちょい寝かせてくれ⋯」


まあ、化粧ポーチは鞄の中にあるし。

くせっ毛を綺麗にするアイロンはないけど、仕方ない、ヘアゴムで何とかするか。



「いいよ別に送ってくれなくて」


送ってもらうつもりだったのは夜だけだったし、もう太陽が上がっているから危なくもないし、電車もあるから。



「お前もうちょい太れよ、骨すぎて抱き心地悪ぃ⋯」



話が噛み合わない大駕は、それでも体制を変えず。




「8時に起こすね」


「⋯あー、⋯おやすみ⋯」




瞬く間に背後から大駕の寝息が聞こえてきて。その声を聞きながら、今日の放課後は何をしようと考えこんでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る