第18話

お兄ちゃんの車に乗り込むと、お兄ちゃんはカーオーディオをピッピっと操作していて。


「ねぇお兄ちゃん」


「んー?」


聞く歌が決まったのか、操作をやめて、サイドブレーキをおろした。私はシートベルトをしめて、鞄を自分の膝の上に置き。



「最近辰巳さんは?会ってるの?」


「胡桃、お前まだ辰巳のこと引きずってんのかよ」



引きずってるって⋯

そりゃ、ずっと片思いしてたんだから。



「あきらめろ、あいつは別れねぇよ」


「分かんないじゃんそんなの」


「無理だな」


「⋯⋯」


「忘れろまでは言わねぇけど。つーか、お前、絶対2人の邪魔すんなよ」



⋯しないし、そんなの。

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