第3話

「もしもし?」

『あ、もしもし梨彩?ねぇ助けて!』


今日は珍しく遅くなると連絡がきたお姉ちゃんからだった。


「なに?助けてって」

『18時からの会議に使う書類、家に忘れてきたの!持ってきてくれない?私の机の上にある封筒ね!』


時計を見ると17時を回ったところだった。


「いいけど、会社の場所わかんないよ?」

『あ、それはあとでLINEに地図送っとく!』

「わかった。届けに行くね」

『ありがと〜!』


お姉ちゃんとの電話をきるとすぐにLINEで地図が届いた。ここから電車で10分ほどの繁華街の近くだった。制服から私服に着替えて、お姉ちゃんの部屋の机の上にあった茶封筒を手に取り、鍵を閉めて家を出た。

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