第95話
二分前にたどり着いたそこは、
8階建てのマンションで。
そこの705号室のチャイムを、急いで鳴らした。
数秒ぐらいたった時、そこから『どーぞ』という声が聞こた。
晃貴の声。どーぞということは、入ってこいということで。
恐る恐る玄関の扉のノブに手をかけた。
鍵が閉まっていない扉はすんなりと開けることができて。
どうやら玄関先まで来たらしい男は、私の姿をとらえた。
「走ってきた?」
息を乱し、少しだけ汗をかいている私に、笑いながらいう男は、やっぱり晃貴で。
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