第93話

『わかってんじゃん、遅れたらばら撒くから』



切れた通話。

どうして私、知らない番号からの電話を出てしまったんだろうと後から後悔した。



どうしよう。

どうしよう。


早く行かないと、写真がお姉ちゃんにっ···。




未だに制服姿のまま、

部屋を出て私は階段を駆け下りた。



「真希?」


リビングから、お母さんの声。

玄関で靴をはく音が聞こえたのか、何事だとリビングから顔を覗かせて···。



「ご、ごめんなさいっ、ちょっと学校に忘れものしちゃって···」


「え?今から取りに行くの?もう7時過ぎてるのに」


「明日提出でいるからっ」


「ちょっと真希!」

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