第77話

お姉ちゃんの横には、当然のようにいる昨日ぶりの聖くん。そして···、見たこともない男が聖くんの横に立っていて、お姉ちゃんと何かを話している所だった。



「あ、真希」


私が家から出てきたことに気づいたお姉ちゃんは、私の名前を呼んだ。


いったい、何してるの?

時間は大丈夫?


そんなことを思いながら、「どうしたの?」と返事をした。



「真希ちゃん、こいつ、良っていうんだ」



そう、聖くんが言う。



りょう?


聖くんの横に立っている良と言われた男は、スッと私の方を見た。

その顔に、少しビクッと強ばってしまう。


聖くんと同じぐらいの身長に黒髪、細身だけれど、良と呼ばれた男の表情が徹と似ていたから。


顔が似てるってわけじゃない。



目つきとか、

眉間の寄せ方とか、

いつでも怒っているかのような顔つき。



それが、いるだけで怖いと思うくらいの徹と、雰囲気が似ていた。

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