第66話

相手が聖くんだというのに、部屋の中に男女が2人きりというのがさっきの晃貴を思い出し、少し手が震えた。


聖くんにバレないよう、必死に手をおさえて。



「どうしたんですか?珍しいですね」


うまく笑えてるだろうか。



「真希ちゃん、今日どこ行ってた?」



そう言う聖くんは見たこともないぐらい真剣な顔をして。


どこ?

繁華街の裏にある、古びた倉庫だよ。



「友達のところに···」


「友達って?」


「学校の友達です。もうすぐテストがあって···、一緒に勉強してて」


「······」


「あの、本当にどうしたんですか?さっきの電話といい、聖くんおかしいですよ」

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