第60話

「よく、分かりません···」


『え?』


「写真って、何のことですか」



そうだよ、どうして今頃思いつくんだろう。

私がエサになったとお姉ちゃんが知ったら、優しいお姉ちゃんが悲しむ。迷惑がかかる。心配してくる。


お姉ちゃんの貴重な時間を、私なんかのために。





『真希ちゃん』


「聖くん。これってドッキリですか」


『いや、あのさ』


「携帯、お友達にお返しします」


『真希ちゃん!!』



私は携帯をはなし、押し付けるように携帯を昴という男に返した。



「では。もう行きますね」


「え?ちょっと待って!!」



内緒にしなくちゃ。

内緒にしなくちゃいけない。

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