第40話
大きな声を出した晃貴。
徹は今日何度目かになるため息を出した後、ソファから立ち上がり部屋から出ていこうとして。
え、なに?
どこいくの?
私をかえしてくれるんじゃ···。
そう男の腕の中で戸惑っている時、「真希ちゃんって彼氏いんの?」と、意味が分からない質問をしてきた晃貴。
「え?」
「いたら、ごめんねー」
え?
そう言おうとしたのに、その声は晃貴の唇によって消えた。不意打ちのように塞がれた唇。
肩に回されていた腕は、後頭部を掴まれて離れてはくれず。
ガチャンと、徹が外に出たであろう扉の音を聞いた時には、晃貴の舌が私の口内に入ってくるところだった。
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