第88話

駅前のハンバーガーショップ。


学生帰りの子が多いチェーン店。



ミルクティーを買った彼女。可愛らしい彼女にとって、ミルクティーがとっても似合ってると思った。


「ちょっと連絡するので、待ってください」と、スマホで誰かに連絡していて。


もしかして、用事あった?と思ったら、すごく申し訳ない気持ちになった。



「ごめんなさい、いきなり⋯。待つとか迷惑と思ったんですけど。連絡先とか分からないから⋯」


「それは大丈夫です。⋯えっと⋯名前は⋯」


スマホの操作をやめ、鞄にしまった彼女は、可愛らしく首を傾げる。



「遥です、高2」


「遥ちゃん?私は真希って言います。同い年ですね」



穏やかに笑う彼女に、知ってます、とは言えなくて。



「話って⋯?」


「あの⋯聞きたいことがあって」


「聞きたいこと?」


「はい」


「あ、敬語じゃなくていいですよっ、同い年なんだし!」



と、焦ったように笑う真希ちゃんは、やっぱり女の子らしくて可愛く。

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