第75話

その後、裕太と潤くんがやってきて昴さんに挨拶していた。

そんな昴さんは自身のスマホに何かの連絡が来た後、急用の用事が出来たか分からないけど、走ってその場を去っていってた。



ずっと「昴さんかっこいい!!」と連呼している莉子は、ハイテンションのままで。




「どこか回りたいとこある?」


と、私の手を握りながら、歩き出す裕太に「どこでも」と答える。



せっかく裕太の学校の文化祭なのに、裕太が私を楽しませようとしている事が分かっていたのに、私はどこか上の空だった。



さっきの出来事が忘れられず。



綺麗な黒髪を思い出していた。

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