第67話

「そういえば、電話来なくなったんでしょ?」



体操着を着た莉子が、ゴムで髪をまとめながら聞いてきて。


どうして莉子が知ってるんだろうと思った。電話が来なくなったことは、まだ裕太にしか報告していないのに、と。



「あーうん、裕太がしてくれたみたい⋯」


「聞いた聞いた、潤もその時見てたみたい」



情報源は、潤くんらしく。



「潤くん、なんて?」


「裕太くんが女に、遥に手ぇ出したら絶対許さねぇから、って言ってたって。良かったじゃん、裕太くんに言ってよかったでしょ?」


「だね」



莉子は私の顔を見て、不思議そうな顔をする。



「遥?」


「なに?」

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