第21話

「遥は?ずっと茶色?」


「ううん、夏休みだけ。うちの学校、校則厳しいから」


「なるほどな、俺、遥ぐらいの髪の長さ結構好き」



長さ?


胸より少し下ぐらい?



「私も⋯」


「ん?」


「裕太の髪型、結構好き」



明るい茶色。少しだけ癖がある裕太の髪は少し遊ばせていて。かといって長いわけでもなく。



「じゃあ、一生これにしとく」



裕太は笑うと、優しく私にキスをしてきて。


優しい裕太は舌を口内に入れる時、私の頭を撫でてくれた。リップ音とともに離れた唇。

キスの余韻でとろんとした瞳で裕太を見つめると、裕太はギュッと卒アルを持ったまま私を抱きしめた。



「裕太ってキス上手だね」


「そう?」


「うん、ちょっと嫉妬する」


「なにそのかわいい嫉妬」


「もう、何言ってるの···」



裕太は私の体を離すと、もう一度唇を寄せてきた。

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