第19話

私とやらない宣言をしてきた裕太は、ベットにもたれる私の横に座っていた。

本棚からチラリと見えた中学の卒アル。それを見たいと言えば、裕太は笑いながらどうぞと言ってくれて。



「裕太って、中学の時は黒髪だったんだね」


裕太のクラスを見ながら、私は笑った。


今は明るい髪色に染められいる裕太。




「そんときは黒じゃないと卒アルにのれないって言われたから、染めた」


「じゃあ中学の時も染めてたの?」


「うん」


「中学の時から不良だったんだね」


「俺、そういうの自覚ないんだよなあ⋯」



そう呟いた裕太は、横に座る私の肩にもたれかけてきて。



「そうなの?」


「みんなでワイワイしてたら、そうなったっつーか。俺の中で不良ってさ、喧嘩したり、そういうイメージがある。俺あんまり喧嘩とか好きじゃない」



喧嘩したり⋯。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る