第5話

カラオケなのに、あまり歌を歌っていない私達は、フードを食べながら、会話をしていた。

会話といっても、ボディタッチを含む会話。


わざとしている薄暗い部屋。


「やだぁ、潤くん」という莉子の声が、耳に届いたりして。




キリのいいところで、私はトイレに立った。カバンの中に入れている化粧品でメイクを直し、大きなため息をつく。


―――疲れる⋯。


やっぱり最近遊びすぎ?


早く部屋に戻んなきゃ⋯。そう思い、カバンの中に化粧品を戻す。




トイレから出れば、先程会ったばかりの人が壁にもたれながら立っていて。



「裕太くん、何してるの?」



私は、にこりと笑いかける。

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