出会い

第1話

―――苦しい⋯


―――体が動かない


―――誰か、助けて


―――お母さん⋯





ハッと目を覚ました私は、ガバッと体を起こした。見慣れた自分の部屋。


寝汗をびっしょりかいたせいで、パジャマがボトボトで。

安心のため息をついた時、汗がスっと引いていくのを感じた。



2度目のため息をついた時、枕元に置いていたスマホが鳴っているのに気づく。

どうやら悪夢でうなされていた私を起こしてくれたのは、このスマホの着信音らしく。




『あ、遥(はるか)、やっとでたー』


もしかして寝てた?と電話越しで呆れた声を出す莉子(りこ)。



「ごめん⋯寝てた⋯」


『何時か分かってる?』



何時か?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る