第93話
「一緒じゃないの?」と。
「うん···」
金髪の聖は、ビニール傘を開く。
薫は聖に言ってないのだろうか。
私がふってしまったこと。
そもそも薫が今どこにいるなんて、友達である聖が1番よく分かっているのでは?
「ああそうか、雨だもんな」
聖の声を聞きながら、私も傘を開いた。
雨だもんな?それって、自転車の二人乗りができないってこと?じゃあやっぱり、薫は私のことを聖に言ってないのか···。
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