第77話

「···や、別にいい」


まだ眠いのか、話し方が遅い。

でも口調からして怒ってはいないみたいで。




「寝るの遅かったの?」


「······ああ」


「10時に起きるんでしょ?まだ寝てていいよ。時間になったら起こすから」


「いや」


「?」


「···起きるわ」



大きい体をゆっくりと起こした。

半袖に、下はジャージ姿の薫の髪には、少しだけ寝癖がついていて。

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