第72話
「2階の左側の扉だから。──あら、もうこんな時間、お父さんが待ってるわ」
戸惑いもできないうちに、満子さんは「さあ入って!」と私を家に招き入れた。そしてそのまま「鍵閉めとくわね」と、どうやら弁当屋へ行ってしまったらしく。
ぽつんと取り残された私は、シーンと静まった玄関先で、今からどうしようと考え込む。
いつもお世話になっている満子さん。満子さんの頼み事を嫌とは言えず。だけども勝手に薫自身の許可もなく、部屋に入っていいのか。
10時頃になれば薫を起こしに来ればいいかとも思ったけれど、この家の玄関の鍵を持っていない私は戸締りが出来なくて。
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