第57話
「まあいいや、戻ってくんの?」
「戻るけど、帰りは別で」
「ああ、分かった。ばいばい明日香ちゃん」
片手をあげたひらひらと手をふり、笑顔で去っていく昴。その光景を見ながら、後ろ姿も長身で細すぎるわけでもなく太くもなく、スタイル抜群でかっこいいと思った。
「悪かったな」
薫はこっちを見て、何故か謝ってくる。
その手にはペットボトル。
悪かった?なにが?
「ちいせぇって言われて。嫌じゃなかったのか?」
ああ、そういうこと。
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