第56話
「···よろしくお願いします」
「何か、かわいいな」
にこりと笑った昴はそんなことを言って。
「おい、昴」
少し不機嫌そうな声に変わった薫は、呆れたように言う。すると昴はハハっと綺麗な顔をしながら笑う。
「お前のには手ぇ出さねぇよ」
お前の?
「にしてもちいせぇな。何センチ?」
何センチ?身長のこと?
私に言ってるんだよね。
「どうでもいいだろ?」
「だってお前と違いすぎねぇ?」
薫と違いすぎる···。
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