第43話

それは翌日の3時間目と4時間目の間の休み時間だった。



「──明日香」



男らしい低い声。そんな声が教室の奥にいた私の方へと届いた。一瞬静かになった教室は「薫、今来たのかよ?」と同じクラスの男の一声で騒がしくなった、



───橋本薫?

───こっちに来るなんて珍しくない?と。




薫は話しかけてきた同じクラスの、どう見てもガラの悪い不良らしい男に「今来た」と言いながら、こっちに近づいてくる。



それはどう見ても私の方へ来ていて。


なに?


まあ、さっき私の名前呼んだから、薫が私に用事があるらしい···けれど。

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