ディスモーフォフィリア a
第39話
―――それは半年前、のこと。
海吏は「たまには」と私達を連れて少し遠くへ出かけた。
いつもいつも家の中にいるルイとヒカルは、遠くへ行くという事が嬉しかったようだった。
ついた場所は海。
砂浜できゃっきゃっと遊ぶ2人を見つめながら、嫌でも視界に入ってくる海の景色に、広いなあ⋯と、思っていた。
この世界はこんなにも広い。
こんなにも広いのに、私たちは逃げている。
「ひな」
「ん、なに?」
海の潮風で、髪がなびく。
それをおさえながら海吏の方を見た。
もう海吏が呼ぶ「ひな」に慣れてしまった私は、海吏の方に微笑む。
海吏とは、ルイの歳よりも、長い時間一緒にいるのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます