第20話
私は片目を閉じて、そこを見る。
「―――っ!」
そして片目の先にいる人物に、目が見開く。冷や汗が流れ、え!?という感情がおさまってくれない。
どうして。
どうして?
どうしてここがっ。
私は玄関扉から距離をとった。
そしたらまた、インターホンがなる。
私息を潜め、口許をおさえた。
いることを悟らせないために。
物音をたてず、その場から離れようと⋯
「まま、だれ?」
したけど、いつの間にか私の足元にいるルイがそう言ってきて。
ああ、しまった。
そう思った時、また、チャイムがなる。
そしてドンドンッと、扉を叩かれ。
「陽向、俺だよ。いるんだろ?」
懐かしいその声に、目の奥が熱くなった。
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