第94話

世那の言葉に、目を見開く。

だって、出たって。

もう実験が終わったってこと?2人の?


じゃあもう、私と魁輝を殺しに来るかもしれないって事?




「その2人の写真、取ってきた。俺は魁輝の弟の顔も知らなかったから」


世那はそう言って、ズボンの後ろポケットから、2枚の紙のようなものを取り出し。


私に差し出してくる。





「病院の中に、そんな外見の男はいない。 けど、建物の中にはいたよ。瀬尾頼。陽向が見たのはこいつじゃない?」



1枚目に写し出されていたのは、ワインレッドの髪色に、黒い瞳。白い肌をしている海吏の姿があり。



2枚目に写っていたのは⋯⋯―――。



せのお より



黒い髪をして、泣き黒子があり、タレ目が印象的な⋯。




私の反応を見ていた世那が、「まずいね」と口にする。

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