第91話

「世那さんも、ありがとう。私の様子見に来てくれて」


「一応医者だし、陽向は特別だから」


「⋯そっか。ここのお医者さんも、看護師さんも、みんないい人だね」


「そう?」


「うん、特に若い先生」


「若い?」


「世那もそうだけど、この前、「大丈夫?」って心配してくれた先生も若い人だったよ。つわりだって言ったらお大事にって」


「⋯⋯」


「そういえば東先生も若かったね」




小児科医の、私と世那が付き合ってるって、この前話しかけてきた東先生。



「⋯ねぇ、陽向。その若い先生、どんな人か覚えてる?」


「え?」



突然、優しい顔から、何かを考える顔をした世那。



え?


どんな人?



若い先生のこと?



どんな人と言われても、正直あまり覚えてなくて。

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