第84話
それから世那は点滴をしてくれた。
世那は「このまま続くようなら、入院も考えよう」と言ってきて。
「で、でも、⋯魁輝の弟たちが⋯」
念のためにと、私は家にずっといることになっていたから。建物から出てきた魁輝の弟たちに襲われないように。
「個室にするし、面会は限られた人にするから。陽向、陽向は俺達が守るから。陽向は子供を守ることだけを考えて。いいね」
「うん⋯」
「それに魁輝がずっと部屋にいてくれるよ」
「そっか、そうだね⋯」
「煌もいてくれるかも」
「2人が、揃ったら、絶対うるさいね⋯。あの二人、仲いいか、分かんない⋯」
「クレーム来たら、陽向のせいにするよ」
笑って言う世那に、私も笑っていた。
「陽向、つわりはいつか終わりが来るから。頑張るんだよ」
「うん⋯」
いつかは、終わるが来る。
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