第70話

「⋯ごめんな」



どうして魁輝が謝るのか分からない。



魁輝が悪いわけじゃない。



悪いのは全部、メビウスなんだから。




魁輝と海吏が鉢合わせすることを目的としたのなら、メビウス側は魁輝が助けに来るって読んでいたということ。



「⋯大好きだよ」



魁輝のことを信じている私は、その言葉を伝えた。魁輝はそれから何も言わなくなり、私を抱きしめる力を強めただけで。





家に戻り、私を横向きに抱える魁輝はそのまま私を浴室へと連れて行った。

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