ディスモーフォフィリア

第55話

その音を1度耳にしたことがある私は、目を、見開いた。


一瞬、唯斗と私の間で時間が止まり。



「⋯え? 1週間のはず、じゃなかったっけ?」




ポツリと呟いた唯斗は、ゆっくりと体を起こした。そのまま体が離れ、私の足の間に隙間が出来て、私は咄嗟に足を閉じた。


そのままベットの上の方へと逃げ⋯。




「ちょっとまってて、見てくるから。逃げちゃダメだからね。まあ、それ付けてたら、逃げられないか」




唯斗はベットから立ち上がると、ベルトを元に戻し、部屋を出るためか扉の方へと歩いていく。




助かった、



助かったの?




どうして今、サイレンが⋯?




唯斗が出て行ったうちに手錠を外そうとするけど、ガンガン、ガチャガチャと鳴るだけでそれは全く外れてくれない。



辺りを見渡すけど、物が多いこの部屋ではどこに鍵があるか分からない。



どうしよう、どうしよう。

戻ってきちゃう。



どうすればっ⋯。

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