第43話
どうすればこの思いが、結乃に伝わるんだろう?
本当に、詩乃は危険な男なのに。
結乃さん、と、声をかけようとした刹那、
「なんやあ、まだおるやん、女の子」
突然、開かれた扉⋯。
その口調と、髪の色に、一瞬、幻を見たのかと思った。
何度も何度も見たことがある白い肌。
ワインレッドのような、赤い髪。
赤でもなく、茶色でもない。
深い深い、赤。
似てる。
私と目とあった彼は、目を細め⋯。
―――でも、違う。魁輝はこんなにも笑ったりしない。
魁輝はいつも、意地悪っぽく笑うから。
改めてよく見れば、顔も違って。
魁輝が助けに来てくれると思っていたから、扉を開けた人物が魁輝だと思ってしまったのか。
―――それに、目の色も、違う。
黒い瞳をもつ、その彼は、にこりと笑い。
「唯斗(ゆいと)〜、ここ、2人おったよ、隠れてたー」
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