第16話

「中に入ってきたのは君なのに」


「⋯⋯っ⋯」


「この僕に殺されるんだよ? 有難く思うべきなんだ」


「ゆ、ゆるして⋯」


「許す?何を。 ほら、僕に感謝して頭を下げて跪いて」


「や、や⋯、や、いや⋯」


「君は、僕の、芸術になるんだよ?」



私に教え込む、タレ目の男。


そんな彼が、私の顎をつかみ、無理矢理視線を合わせてきて。ボロボロと涙をこぼす私は、腰が抜けて立ち上がることも出来ず。





―――誰か、私を、助けて―――⋯。




あたしの、味方は、どこ。

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