第10話

『つわりっていうのは、人によって違うよ』


「⋯で、でも、」


『とりあえず、調べな』



調べなと、言われても。


焦り、戸惑い、不安⋯。



ドキドキと、胸が鳴る。




『陽向』



私、妊娠してるかもしれないの?

魁輝の子?


ほん、とう⋯に?



『⋯大丈夫?』



心配そうなの声が、聞こえ。


思わず口を閉ざしてしまう。


私が『大丈夫』と言えたのは、1分ほどたった時だった。




『もし、陽性だったら、俺よりも先に魁輝に言うんだよ』



優しく言ってきた世那は、そう言って電話を切り。しばらくソファの上でぼんやりと座っていた私は―――⋯。

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