接触

第11話

わお…。



私の視線には、数えきれないほどの人数が倉庫に集まっていた。



なんであんな一瞬でこんな人数が集まるんだ…?

それに、うちってこんなに人数いたことさえ知らなかったんだが!?



「薫、そろそろ」



「あぁ」



あくまで平然とした態度で行かなくっちゃね。



「急な集合に応えてくれたことに感謝する。今日は、黒狼のアジトに乗り込む」



少し場がざわつく。

まぁ、そりゃしゃーない。なんせ、今まで極力接触は避けていたからな。でも今回は、リーダーからの任務があるからね。


私は、リーダーから出された任務は絶対こなす。どんな手を使っても。仲間を裏切ってでも。



「お前らがやることはただ一つ。幹部メンバーの全容を把握しろ。そのために、アジトに乗り込んで情報すべて聞き出せ」



「「「「はい!」」」」



黒狼は最近、闇商売なんやらといろいろ悪い噂が絶えないからな。特に総長は女遊びが絶えないとか。


正統派名乗ってる割には、噂はよくないものしか聞かないなぁ。



「さぁて、黒狼サンに会いに行こうか」



私の煌としてのつぶやきは、風にかき消されていった――

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