第10話

「今日は黒狼メンバーと接触する」



「えっ!喧嘩できる⁉」



「おい、律。物騒な喜び方すんな」



律は僕とか言ってかわいい系に見えるけど、喧嘩大好きだもんな。

凪が律に怒ったけど、効果なし。あれは、喧嘩のことしか見えていないな。絶対。



「律は喧嘩してもいいけどあんまり派手にやるなよ?あとが面倒」



「りょー」



少し残念そうな表情でこっちを見てきた。いやいや、かわいいからって何でも許すわけではない……ない。

……。



「…接触したらどうせ喧嘩になるからいいよ。律派手にやれ」



「やったぁぁ!」



「おいっ!薫!律に甘いんだよ、いつも」



だって、あの顔は許しちゃうじゃん。男には理解できないであろうかわいさがあるんだよ!



「まぁ、蓮。許してやれよ。薫が律に甘いのはいつものことだろ」



凪が少し呆れながら蓮をなだめる。



「そろそろ、作戦練らないとね。俺は自室で黒狼の倉庫の目星つけとくよ」



「わかった。爽、ありがとな」



爽は敵アジトとか倉庫とか見つけるの得意だからなぁ。どうやって見つけてるのかはいつも教えてくれないけど。

気になるけど頑なに教えてくれないんだよなぁ。



「黒狼と接触して何するんだ?」



おっ、凪にしてはいい質問。



「黒狼と接触し、幹部メンバーの全容や総長の噂が真実か確かめようと思ってな。のちに役に立つだろうし」



リーダーに頼まれた任務のためにも、幹部メンバ―との接触は必須だし。一石二鳥よね。



「じゃあ、凪。今日集められる分でいいから人数集めといてくれ」



「りょーかい」



黒狼も喧嘩は強いだろうし、人数は多めにほしいところ。どこまで集めてくれるかな、うちの幹部は。

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