第90話

都合いいこと言われて、都合いいことされてその度に泣いたり傷つくんだ。


友達以上にはなれない。


なれたとしても身体だけの関係にきっとなると思う。



だけど、傷つくよりもやっぱり賢人の傍にいたいんだ。


傍で隣で賢人と笑いあっていたい。


賢人を見守ってあげたい。


助けてあげたい。


今は傍にいるだけでいい。


だって私は賢人が好きだから。



「胡桃?」


「賢人が私でいいならいいよ。賢人が望むなら」


「え………」



びっくりしてる。


今にも目がとび出そうなくらい。


賢人が言い出したことなのに。



「ほんとにいいのか!?」


「うん。賢人が言い出したことでしょ!」



バシッと背中を叩く。



「そう…だよな。けどまさか胡桃がOKしてくれるとは思っていなかったから………」

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