第74話

私にとってその幼馴染という単語はとても重要なもので。



「賢人にとって私は何?」


「は?何って、ただの幼馴染だろ?」



幼馴染。しかもただの幼馴染。


ただのは余計でしょ。


期待なんかしてないけど、美耶を忘れようと努力してる賢人がいるから嬉しかった。


だけど女の子じゃなくて幼馴染なんだ。


やっぱ幼馴染以上にはなれないんだ。



「なっ!?何泣いてんだよ!変なこと言ったか?」


「……言ったよ、バカ」


「は?」


「賢人にとってはただ言うことを聞く幼馴染としか思ってないんだろうけど……」


「そんなこと………」


「私は誰にでもするわけじゃない」


「もう酔ってんのか?」


「私は!」


「え?」

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