第55話

いつもの賢人とはどこか違う。


違う人に見えていつもよりドキドキしちゃう。


どこか儚げで切なくて色っぽい。



「もしかして、初めてとか?」



図星を当てられ顔に出そうになった。



「そ、そんなことない」


「まあいいや。口、開けて?」



賢人に促されるまま口を開ける。


口の中には賢人の舌が入ってくる。


変な感じ………


賢人の吐息が混じって変な感覚に襲われる。



「声、我慢しなくていいよ。聞きたい」



手は賢人に掴まれたままだから口を抑えて我慢することができず、表情が丸見えだからすぐに賢人に気づかれてしまう。



「へえ、右耳弱いんだ?」


「……やだっ」



変な声出ちゃう。



「我慢するなら声出させてやるよ」



服越しから胸を触られる。



「やっ、ダメだってば!!」


「胡桃。知らないのか?やだって言われれば言われるほど男は興奮するんだぞ?」


「そんなの知らないっ……あっ」

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