第44話

坂本 美耶。



私の大学時代の親友。


あの頃は彼氏の悠真くんと付き合っていた。


大学のマドンナ的存在で注目を浴びていたっけ。




「胡桃ったらちっとも変わってなくて安心した!」


「美耶の方こそ」



美耶の右手薬指には光る指輪。


やっぱり結婚するのかな?


そんなことをふと考えていた。



「胡桃に連絡する手間が省けちゃった!!」


「私に連絡?」


「うん。私、教えたいことがあって……」


「うん?」


「悠真のこと覚えてる?私の彼氏だった……」


「覚えてるよ!」


「私たち、結婚することになったんだ!」



やっぱり賢人の言っていたことは本当だった。


結婚か。


先越されちゃった。



「胡桃?」


「美耶、おめでとう!自分のことのように嬉しいよ!」


「胡桃ならそう言ってくれると思ってた!胡桃にはぜひ結婚式に来て欲しいな」



結婚式。

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