悪仲
第36話
清光高校の男女の比率は9割が男、1割が女だそう。ほぼ男子校のこの学校。だからその中に女がいればとても浮いたように見える。
穂高の言う通り、この学校は今3つの派閥…、勢力に分けられているみたいだった。
穂高 亜貴
黛 陽一郎
古賀 将輝
それぞれのトップは3年生らしい。
1年生は入学してからどこの勢力に入るか決めるんだとか。
その決め方は自ら志願や、勧誘もあれば、暴力での無理矢理が主な決め方なんだそう。
「君、一年生? どこにするか決まった?」
清光高校に入学して3日目、また上級生らしい人に話しかけられた。
これで勧誘10回は超えたな…と、ぼんやりと考え込む。
「もちろん将輝さんところに入るよな?」
まるで脅しのように言われるけど、将輝という私を犯してきたやつらのところに行くわけないから。
「すみません…、もうこいつ亜貴さんのところに決まってるので…」
私のとなりにいる倭がそういえば、「チッ、」と舌打ちをしながらその場を去っていった上級生…。
清光では、ある〝掟〟があるらしい。
それは勢力同士での争いは禁止という事。
争いが起きれば死者が出てしまうから。
昔、清光高校では人が亡くなったそうで、その〝掟〟ができたらしい…。
だからその〝掟〟以降、勢力は3つのままで、本当のトップになった人はいないんだとか…。
「ありがとう倭…」
「ああ…」
だけども、その勢力を持っているトップの人の力は凄く、誰も歯向かうことは出来ないらしい。
女でも、その勢力に入ってしまえば、逆らうことができない。
だから、例えば、私で言うなら穂高亜貴に「足を開け」と言われれば足を開かなければならないということ。
1度、穂高に聞いてみた。
「じゃあ、穂高のお兄さんに気に入られれば安全じゃないの?」と。
穂高は馬鹿を見るような目をしながら私に返事をする。
「写真、ばら撒かれたくなかったら黙ってろって言われたら、お前終わりな」と。
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