第80話

「気持ちよくて、待ったは無しだからな?。あと、名前呼ぶの忘れてる。ほーら、手ぇ邪魔」



私の口にあった手を掴むと、指を絡ませた蛍の腰が再び動き出し。



「っ⋯!」


「名前、聞こえねぇ」


「⋯っ、ほ、⋯あぁっ⋯」


「聞こえねぇって」


「や、とまっ⋯ぁっ」


「何だって?」



蛍が前屈みになり抱きしめるように、私の口に耳を寄せる。




「きっ⋯⋯」


「何?」


「すき⋯⋯」




蛍を抱きしめると、蛍は私の耳元で甘く息をつき。


「ちょ、マジ⋯、煽るなよ⋯」



苦しそうに呟いたあと、また、キスをして。




「大好きだよ」



甘く、愛おしそうに呟いた蛍は、



幸せな行為へと、私の記憶に上書きしてくれて。



行為後、蛍に抱きしめられながら、私は1時間ほどの眠りについた。

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